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short story
第2章 seventeen/minami
「・・・あのさ、一ノ瀬さん」


「はい」


先輩が立ち止まって私を見た。


「あの・・・さ、」


「・・・・・・!」



先輩が何か言葉を選んでいるのを不思議に思いながらふと気づいてしまった。


遠くに見えるあの人影はお兄ちゃん!!



「せ、先輩!!すみません私急用思い出しちゃって」


「えっ!?」


「あの・・・ごめんなさい、急ぎます!」


ヤバイヤバイ!
こんなとこ見られたら先輩に魔の手が及んでしまう!!


走り出す私に先輩が叫んだ。



「一ノ瀬さん・・・良かったら今度一緒に雑貨屋行こう!」


「はい!」


「また一緒に帰ろう!」


「はいっ!」


お兄ちゃんが気づいてないといいんだけど・・・
私の頭はその事で一杯だった。







「・・・何とかセーフ・・・かな?」


ゼーゼー言いながら今度は玄関で止まらず部屋まで一気に駆け上る。
ベッドに倒れ込みお兄ちゃんを気にしつつ先輩との出来事を思い返した。



「雑貨屋・・・行こうとか・・・言われたような・・・」


私の妄想だろうか・・・
でも先輩も雑貨が好きだと言っていた。
男の人が一人で行くには抵抗があるのかもしれない。



「・・・・・・・・・」



私・・・先輩と一緒に帰ったんだ・・・
夢みたいだな・・・



キャー!と一人で悶えているとドンドンと部屋のドアが鳴った。



「みなみ、ちょっといいか?」


「!」


お兄ちゃん・・・!!



やっぱり見られたのだろうか。
恐る恐るドアを開けると威圧感満載の姿で立っている。



「話があるんだがな、みなみ・・・お前今日は誰と帰った?」


キタ・・・!キタキタ!!
冷や汗をかきながら平静を装い答える。



「ひ、一人だよ」


「遅かったようだが?」


「クジで文化祭実行委員引いちゃって・・・その集まりがあったの」


「実行委員・・・遅くなるのか?」


「文化祭近辺はなるかもしれない」


「できるだけ早く帰るように心掛けなさい。遅くなるなら電話して・・・誰かしら迎えに行くようにするから」


「い、いいよっ!いいですよっ!」



「何がいいよだ!危ないから言ってるんだろう」


家が近い我が家の迎えは多分徒歩か自転車だ。
高校生でしかもまだ夕方お迎えだなんて恥ずかし過ぎる・・・


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