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short story
第2章 seventeen/minami
「みなみ・・・間違っても送ってやるなんていう雑魚の言葉に乗るんじゃないぞ」


「雑魚って・・・」


「送り狼という言葉があってだな」


「もういいよ・・・分かったから」


最近、お兄ちゃんにガッカリしてしまう。
全てのことをそっちに結びつけるのやめて欲しい。


言いたいことを散々言ってお兄ちゃんはとりあえず納得したのだろう、私の部屋から出て行った。






委員会は決して頻繁にある訳じゃなかった。
先輩との接点も殆どなかったけど、目が合えば微笑み合う・・・夏休みを挟んでもそんな関係が続いている。


クラスでの仕事は忙しく、私とペアの男の子も思ったよりは仕事をしてくれたからどうにか文化祭も無事終える事ができた。


私たちのクラスはメイド喫茶をした。
・・・と言ってもメイドは男子で女子は裏方という謎の喫茶だけど、それなりに受けて大成功だったと思う。


文化祭にはもちろん親と共にお兄ちゃんも来た。
テーブルに見立てた机に窮屈そうに座るお兄ちゃんはちょっとした注目の的ですごく恥ずかしかった。


文化祭に来てからお兄ちゃんは更に私に目を光らせるようになった。
5時半には帰っているか確認の電話が来るという・・・
そして相変わらず門限は6時だ。


文化祭の数日後、実行委員の反省会が行われた。
これで委員会は解散になる。
先輩と会うことも今以上になくなるだろう・・・


委員会終了後、トボトボ歩いていると突然声が掛けられた。



「一ノ瀬さん!」


「笠原先輩・・・」



振り向くと先輩で、あろうことか先輩は走って来てくれた。


「一緒に帰ろう」


「えっ・・・はい」




終わりだと思った関係は思わぬ展開。
やっぱりドキドキしながら先輩の隣を歩いた。


相変わらず先輩は話上手で上手く話を振ってくれる。
・・・が、今日の先輩はいつもより無口だった。
心ここに在らずというか・・・


それを不思議に思っていると突然先輩が立ち止まる。


「俺実は一ノ瀬さんに言いたいことがあったんだ・・・」


先輩は真っ直ぐ私を見た。



「・・・付き合って欲しいんだ」



「・・・・・・・・・」



その時、私の頭の中に浮かんだのは・・・



『雑貨屋に?』















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