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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
遠ざかるみなみの姿も霞み、そこで意識は完全に途切れた。
・・・そんな俺が目を覚ましたのは翌日の事。
目を開けると見慣れぬ白い天井が見えた。
「・・・・・・・・・」
「遥斗っ!」
お袋が泣いている。
初めは自分の状況が理解できずにいたけど最後の記憶を思い出したらまず出たのはこの名前だった。
「・・・みなみは?」
「みなみちゃん?連絡してないわよ・・・お母さんじゃ連絡先分からないから」
「・・・・・・・・・」
お袋の返しにこの一件にみなみが絡んでいた事は知られてないのだと正直ホッとした。
「痛くない?」
「痛い」
「看護師さん呼ぶわね」
お袋がナースコールを押すとすぐ看護師がやって来て、しばらくして医者が来る。
医者は俺を診たり説明したり・・・
全身打撲で滅茶苦茶痛いけど、どうやら命や後遺症といった心配はないらしい。
ただ肋骨が折れてるらしく安静は必要との事。
それでも頭を打たなかったことや内蔵に損傷がないのは「不幸中の幸い」だと言われた。
いつの間にか俺は暴漢に襲われたことになっていた。
翌日、警察が来て事情聴取をされたが「覚えてない」で片付けた。
体が痛くて喋りたくもなかったし・・・
警察も適当なもので深く追求されることもなく、形だけの事情聴取が終わった。
被害届を提出するかと聞かれそれも断った。
犯人の記憶も全くないしひとまず無事だったからいいと押し通した。
「何か後ろめたいことがあるんでしょ」
「・・・ねーよ」
「被害届出して犯人見つかったら裁判でも起こして慰謝料ガッポリ貰えばいいのに」
「どうでもいい」
「・・・フーン」
休みの日、姉貴が来て俺を探る。
「じゃあ私はそろそろ帰るから」
「ああ」
「せいぜいお大事に」
「どうも」
シャッとカーテンを閉めて病室から出て行った姉貴だったが何故かすぐ戻って来る。
「ねぇ」
「何だよ」
「そこに泣いてる女の子が居るんだけど」
「!」
みなみか?
「どんな子?」
「髪の毛これくらいで可愛げな」
―――みなみだ!
「あのさ、その子病室に入れてやって」
「言ったわよ、でも入らないのよ・・・地縛霊か何かかしら」
「俺動けないから・・・頼む、俺が会いたがってるって」
・・・そんな俺が目を覚ましたのは翌日の事。
目を開けると見慣れぬ白い天井が見えた。
「・・・・・・・・・」
「遥斗っ!」
お袋が泣いている。
初めは自分の状況が理解できずにいたけど最後の記憶を思い出したらまず出たのはこの名前だった。
「・・・みなみは?」
「みなみちゃん?連絡してないわよ・・・お母さんじゃ連絡先分からないから」
「・・・・・・・・・」
お袋の返しにこの一件にみなみが絡んでいた事は知られてないのだと正直ホッとした。
「痛くない?」
「痛い」
「看護師さん呼ぶわね」
お袋がナースコールを押すとすぐ看護師がやって来て、しばらくして医者が来る。
医者は俺を診たり説明したり・・・
全身打撲で滅茶苦茶痛いけど、どうやら命や後遺症といった心配はないらしい。
ただ肋骨が折れてるらしく安静は必要との事。
それでも頭を打たなかったことや内蔵に損傷がないのは「不幸中の幸い」だと言われた。
いつの間にか俺は暴漢に襲われたことになっていた。
翌日、警察が来て事情聴取をされたが「覚えてない」で片付けた。
体が痛くて喋りたくもなかったし・・・
警察も適当なもので深く追求されることもなく、形だけの事情聴取が終わった。
被害届を提出するかと聞かれそれも断った。
犯人の記憶も全くないしひとまず無事だったからいいと押し通した。
「何か後ろめたいことがあるんでしょ」
「・・・ねーよ」
「被害届出して犯人見つかったら裁判でも起こして慰謝料ガッポリ貰えばいいのに」
「どうでもいい」
「・・・フーン」
休みの日、姉貴が来て俺を探る。
「じゃあ私はそろそろ帰るから」
「ああ」
「せいぜいお大事に」
「どうも」
シャッとカーテンを閉めて病室から出て行った姉貴だったが何故かすぐ戻って来る。
「ねぇ」
「何だよ」
「そこに泣いてる女の子が居るんだけど」
「!」
みなみか?
「どんな子?」
「髪の毛これくらいで可愛げな」
―――みなみだ!
「あのさ、その子病室に入れてやって」
「言ったわよ、でも入らないのよ・・・地縛霊か何かかしら」
「俺動けないから・・・頼む、俺が会いたがってるって」