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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
姉貴はハハーンと頷いて「噂のみなみちゃんでしょ」と言った。


「多分そう・・・」


「その怪我あの子が絡んでるの?」


「違う」


「フーン・・・まぁいいけど」



そしてまた姉貴が出てしばらく、ソロソロとカーテンが開いてみなみが顔を現した。


「みなみ・・・」


「・・・・・・・・・」


俺を見てみなみの涙腺が決壊する。



「こっち来いよ」


「・・・・・・・・・」


「来て」


「・・・・・・・・・」


固まってるみなみを呼んだらチョコチョコベッドサイドにやって来て、俺の目線に合わせてひざまずくと子どもみたいに泣き始めた。



「大丈夫だった?」


「そ、そ、それは・・・は・・・遥斗っ・・・」


「俺は平気だから」


「ごめんなさい・・・」


「どうしてみなみが謝るんだよ」


「だっ・・・て・・・だ、だっ・・・て・・・っ」


手で顔を覆い声を殺してみなみは泣いている。


「私・・・がっ、遥斗をす、好きにならなきゃ・・・」


「・・・それマジで言ってんの?」


「だっ・・・てっ・・・遥斗し、死んじゃうって・・・あん、あんな・・・」


「死んでないから」


「私とか、関わらなきゃこん・・・な、」


「みなみ」


痛い体を伸ばしてみなみの頭を撫でた。
本当は抱きしめたかったけどそれさえできない体がもどかしい。


「私・・・お、お兄ちゃんけい・・・警察に」


「やめろ」


「だっ・・・てあんな・・・の・・・はん、犯罪・・・」


「大丈夫だから」


それから肩を震わせてしばらくみなみは泣いた。
その間ずっとみなみの頭を撫でていた。


ひとしきり泣いて落ち着いたみなみは泣き過ぎたせいか、目が真っ赤で貧相だ。


「・・・痛くない?」


「平気」


「・・・嘘だよ」


またポロポロ泣いて今度はみなみが俺を撫でる。


「でも遥斗、庇ってくれてありがと・・・味方になってくれて・・・ありがとう」


「みなみは大事な彼女なんだから当たり前だろ」


またみなみの涙が大きくなった。


「もうみなみ遥斗から離れられないよ」


「いいよ離れなくて」


「一生だよ」


「一生好きでいてくれんの?」


みなみの頬に触れたらその手をみなみが包み込む。



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