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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
「うん・・・一生遥斗が好き」


「マジで?」


「うん」


「じゃあ俺と結婚する?」


「うん・・・」


みなみは包んだ手を強く頬に押し当てた。
結婚なんてまだまだ先の事だけど、約束は純粋に嬉しかった。


「・・・忘れんなよ」


「忘れないよ・・・」


みなみはまた涙を零した。


「子ども・・・二人くらい欲しいよな」


「そこまで考えるの?」


「当たり前だろ、男女一人ずつ居たらいいな」


「うん、ふふっ」


「朝起きてみなみがいて帰って来たらみなみがいて・・・幸せだろうな」


あんな事があったからだろうか、平穏な幸せが眩しく思える。
いつも隣にみなみが居てくれたら・・・考えただけで胸が暖かくなった。


「何か遥斗いつもと違う・・・」


「ん・・・さすがに一瞬くらいは死ぬかもしれないって思ったからかな・・・」


そう言ったらまた涙を流して・・・
親指でその涙を拭いてやる。


「泣きすぎ、みなみは?みなみはどんな家庭にしたい?」


「あのね、いつも家族が笑ってるような・・・で、“早く帰りたいな”って思えるような家庭にしたい。でね、みなみね、若いママになりたい」


「じゃあ卒業したら早く結婚して毎晩子作りに励むか」


「もう・・・すぐエッチな方に行くんだから」


やっとみなみが笑った。
ままごとみたいな約束でも俺たちは真剣だった。
だから・・・それからキスの流れになるのはあまりにも当たり前じゃないだろうか。
動けない俺にみなみからくれるキスは、幸せと甘酸っぱさと愛しさと切なさで胸が痛かった。


「・・・・・・・・・」


胸はおろか、肋骨までもが痛い。


「遥斗・・・痛い?」


「悪い・・・」


喋り過ぎて我慢の限度が超えたのだろうか。
ズキズキとした痛みが強くなってくる。


「ううん、喋らなくていいよ・・・でも側に居ていい?」


「ん・・・」


みなみが手を握って、その温もりにホッとした。
目を瞑っていてもみなみはずっと居てくれて・・・すると睡魔が襲って来て、安心しながら眠りに落ちて行った。








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