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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
―――夢を見た。
俺はスーツを着ていて社会人になっている。
会社が終わって向かうのは可愛らしい一軒家で、その家の電気を見た途端、早くもホッと息をつく。


ガーデニングの行き届いたアプローチを抜けるとフワリと夕飯の匂いがする。
今日の夕飯は何だろうなんて思いながら木製のドアの前に立ちインターホンを押すと、嬉しそうな声が聞こえてすぐそのドアが開いた。


「お帰りなさい、お疲れ様」


今より少し大人っぽくて綺麗になったみなみがエプロンを身にまとい満面の笑で俺を迎えてくれる。


この笑顔が見たかった・・・
みなみを前にしただけで一日の疲れが癒えていく。


「ただいま」


みなみが鞄を受け取り、俺は家に上がる。
外壁同様可愛らしくて落ち着いた部屋に早くもリラックスしていた。


「今日の夕飯何?すげーいい匂い」


「今日はね、ミラノ風カツレツだよ」


「ふーん・・・みなみどんどんレパートリーが増えるな」


「だって・・・遥斗に美味しいって言ってもらいたいもん」


無邪気だけど殺し文句。
俺は今日もみなみにメロメロだ。


「どうする遥斗、ご飯にする?お風呂にする?」


「・・・みなみ」


「ええっ!?」


「みなみにする!」


みなみに飛びつくと、勢いで俺を受け止めたままソファに尻もちをつくみなみ。


「・・・早くない?」


「早くない、可愛いみなみが悪い」


気が早い「俺」を押し付けるとみなみはびっくりしたようで、でもすぐ甘い表情になっていく。


「帰って来たばっかなのに・・・」


「関係ないだろ」


キスをする感覚が夢なのにやけにリアルだった。


「なぁ、そろそろ子作りしねぇ?」


「ええっ!?・・・まだ二人で良くない?」


「二人もいいけど小さいのが居たらもっと良くね?」


額と額を合わせて二人で見つめ合う。


「子ども作ろうぜ」


「・・・なら遥斗に似た男の子が欲しいな」


恥ずかしそうなみなみが可愛い。


「みなみ・・・知ってるか?男作るにはみなみがいっぱい気持ち良くなんなきゃなんないの」


それは都市伝説みたいなモンなんだと思う。
けどみなみは頬を染めた。


「ならできるかもね」


「それって・・・俺とのエッチが気持ちいいって事?」


「・・・恥ずかしい!」




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