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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
「ダメッ・・・ダメッ・・・!」


「――――――ッッ!!」


みなみに絞り取られるよう薄い膜の中に白濁した欲望が吐き出され、力尽きたみなみが崩れ落ちる。
繋がったまま起き上がり、みなみを後ろから抱きしめた。


「もう・・・ホント無理」


虚ろな目のみなみは汗ばみ髪も乱れている。
その姿が愛しくてたまらない。
・・・ふいに飛んで行ったはずの兄さんがまた現れ俺を不安にさせた。
あの日からみなみとの関係は変わらないのに静か過ぎるのが怖かった。


ある日突然腕の中のみなみを抱けなくなる日が来るんじゃないかと・・・
みなみを失うことが何よりも恐ろしかった。


「みなみ」


「・・・ん?」


「・・・・・・・・・何でもない」


抱きしめたまま寝転んで温もりに甘えた。
さっきみなみは俺が居なきゃ生きていけないと言ったけど、みなみが居なきゃ生きていけなくなるのはきっと俺の方だ。


それからもう一度みなみを抱いた。
ヤリ過ぎだと最後は怒られて・・・それでもみなみが好きで好きで仕方なかった。
まだできると断言したら呆れられてしまった。






・・・どうしてこんなに好きなんだろう。
付き合って一年が過ぎても飽きるどころか日増しに気持ちが強くなる。
そして俺はこれからもそうありたいと思っている。
みなみとはずっと一緒に居たい。だとすればやはり兄さんは避けられないわけで・・・


その後の兄さんの事は分からなかった。
みなみは兄さんの話題は露骨に避けたし、話たくてもまず会うことさえ難しいように思った。


「・・・みなみ」


「ん?」


「俺やっぱ兄さんとちゃんと話したいんだけど」


俺の言葉に服を着ていたみなみの手がピタリと止まる。


「・・・いいよ」


「良くねーだろ」


「いいのあんな人・・・もう兄妹じゃないよ」



Tシャツの首から髪を出して手櫛で梳きながら、静かだけど意思の強い声でみなみが言った。


「兄妹だろ!?」


「でもいいの。遥斗にあんな事して・・・絶対許せない」


「・・・・・・・・・」


兄さんは確かに恐ろしい存在だ。
本音を言えば、もう一生会いたくない。
でもその時このままではいけないと思った。


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