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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
大学生の長い夏休みが終わる頃にはバイトも再開し、今まで通りの日常が戻って来た。
兄さんの事を出すとみなみはあからさまに空気を変えるから、なかなかそれ以上の話に及ばず・・・
そしてヘタレな俺は俺でその状態にどこかで甘えてたように思う。
でも次の展開は思ったより早くやって来た。
その日も突然だった。
「山下くん、山下くんを呼んでるお客さんが居るんだけど・・・」
バイト先の居酒屋で、バイト仲間の早紀ちゃんが困惑しながら俺を呼んだ。
「誰?」
「さあ・・・なんかすっごい大きい人だよ」
すっごい大きい人・・・
俺の知ってるすっごい大きい人は一人しかいない。
まさかと思いながらも決心を固めてその人のテーブルに行くと、案の定みなみの兄さんがカルアミルクを前に座っていた。
「いらっしゃいませ」
「・・・話があるのだがバイトは何時に終わるんだ」
よくバイト先が分かったな・・・
今夜俺は命を落とすのだろうか。
みなみのことは誰にも渡したくないけど、俺が側に居られないならみなみを大切にしてくれる奴と幸せに・・・
遺書をスマホに残そうと真剣に思っていた。
「ラストまでです」
「何時だ」
「11時半です」
みなみの兄さんはスマホの時間を確認した。
似合わないくらい可愛いスマホケースはまさかと思うが彼女のセレクトなのだろうか。
「駅の近くにファミレスがあるだろう」
「・・・・・・・・・」
「あそこは確か24時間だったな、終わったらそこに来い」
そう言ってカルアミルクを飲み干し席を立つ。
「会計だ」
「・・・・・・・・・」
カルアミルク一杯だけの客は俺を呼びつけるためだけに来たのだろうか・・・
その日は生きた心地がしないまま仕事を終えた。
最後かもしれないからバイト仲間にも丁寧に挨拶して店を出ると駅前のファミレスを目指して歩いた。
兄さんの事を出すとみなみはあからさまに空気を変えるから、なかなかそれ以上の話に及ばず・・・
そしてヘタレな俺は俺でその状態にどこかで甘えてたように思う。
でも次の展開は思ったより早くやって来た。
その日も突然だった。
「山下くん、山下くんを呼んでるお客さんが居るんだけど・・・」
バイト先の居酒屋で、バイト仲間の早紀ちゃんが困惑しながら俺を呼んだ。
「誰?」
「さあ・・・なんかすっごい大きい人だよ」
すっごい大きい人・・・
俺の知ってるすっごい大きい人は一人しかいない。
まさかと思いながらも決心を固めてその人のテーブルに行くと、案の定みなみの兄さんがカルアミルクを前に座っていた。
「いらっしゃいませ」
「・・・話があるのだがバイトは何時に終わるんだ」
よくバイト先が分かったな・・・
今夜俺は命を落とすのだろうか。
みなみのことは誰にも渡したくないけど、俺が側に居られないならみなみを大切にしてくれる奴と幸せに・・・
遺書をスマホに残そうと真剣に思っていた。
「ラストまでです」
「何時だ」
「11時半です」
みなみの兄さんはスマホの時間を確認した。
似合わないくらい可愛いスマホケースはまさかと思うが彼女のセレクトなのだろうか。
「駅の近くにファミレスがあるだろう」
「・・・・・・・・・」
「あそこは確か24時間だったな、終わったらそこに来い」
そう言ってカルアミルクを飲み干し席を立つ。
「会計だ」
「・・・・・・・・・」
カルアミルク一杯だけの客は俺を呼びつけるためだけに来たのだろうか・・・
その日は生きた心地がしないまま仕事を終えた。
最後かもしれないからバイト仲間にも丁寧に挨拶して店を出ると駅前のファミレスを目指して歩いた。