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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
高校生のうちって・・・まだ一年半もあるじゃないか。
さっきの話を聞いてなかった訳じゃないけど目の前がクラクラした。


「何だその顔は、やはりお前はみなみの身体が目当てなんだな!?」


「ち、違います・・・違いますけど・・・・・・・・・・・・分かりました」


とりあえず頷くと、兄さんは顔を近づける。



「言っとくがな、悪い事を考えても無駄だからな。俺は子供の頃から感がいい、お前がいい加減な事をしたらすぐ分かるんだからな」


「・・・・・・・・・」


脅しなのか本当なのか・・・
脅しと言い切れない何かが兄さんにはあるから必要以上に恐ろしい。
訝しい顔の俺を見て兄さんは表情も変えずにポツリと呟いた。



「三月・・・」


「は?」


「三月を境にみなみが変わった・・・それまでも何かが違ったが決定的なのは三月・・・」


「ま、守ります!約束は絶対!」


怖えー・・・
マジで怖えー!


「当たり前だ!それとみなみを早く家に戻るよう説得しろ。お前の言うことなら洗脳状態な今、聞くかもしれない」


「・・・・・・はぁ、」


「何だその生返事は」


「はい・・・」


それから兄さんは安心したようにハーブティーを飲み干してジロジロと俺を見る。


「お前・・・よく見れば以前何処かで見たような・・・」


「俺が高校生の時、みなみの親友と帰り道に会った事がありますからそれじゃないですかね」


兄さんはしばし考え・・・


「あの腰パンか!」


そう叫んでカッ!と目を見開いた。


「思い出したぞ!そうだあの腰パン野郎だ!しかも清花と帰ってたよな・・・まさか二股・・・」


「違います!あれは偶然・・・」


それからは付き合ってもない男女が一緒に帰るなんて!とか腰パンなんて日本男児たるものが!とか昔の事で散々説教された。
俺はまたハイハイと聞いていた。
そして話は戻り脅され念を押されを繰り返し、連絡先を控えられ・・・それから俺が開放されたのは一時間後の事だった。


帰り道、深いため息を何度も吐く。
俺は「付き合いを認めてもらう権利を得る」為に長い禁欲生活に入る事になってしまった。
兄さんの話を聞いてなかった訳じゃない、胸に刺さらなかった訳でもない。
でもこんな事ならこの間エッチした時にもう二、三回しておけば良かったなんて思っていた。


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