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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
確かにゴリラーマンは傍から見れば面白いかもしれないけど・・・
いいのか!?
マジでいいのか!?


そして結局サークルの輪に連れて行かれ・・・


「おおっ!遥斗ー!」


「・・・・・・っス」


「遥斗ー!!!」


酔った先輩に抱きつかれゲンナリ。
周りは早くも出来上がり、酒の匂いが凄い。


「先輩、髭が当たってキモいです」


「キモいか・・・そうか、ならその可愛い子に!!!!」


先輩の目が光り、みなみめがけて手を広げると首根っこを掴まれて阻止される。


「ウチの妹に何か?」


お兄様だ!!
先輩は兄さんの迫力にビビってすごすご席に戻ってく。


ビバ兄さん!マジ万能!!
こんなにみなみを守る能力に長けた用心棒はなかなか居ない!!


「山下・・・本来ならお前に守ってもらいたいところなんだぞ」


「・・・・・・ウス、頑張ります」


俺だってみなみを守ってるつもりではいるけどさすがにここまでの迫力はない。


「頑張りますじゃなくてだな・・・」


「うわーっ!凄い筋肉~」


説教を始めようとした兄さんの言葉が遮られた。
遮ったのは真琴さんで、真琴さんは酒の沢山入ったレジ袋を手に兄さんの上腕二頭筋を躊躇なく触り始める。


「なっ・・・!!!!」


そして真琴さんを見た兄さんの瞳孔が開く。
無理もない、露出狂な彼女は「大和撫子たるもの」が口癖な兄さんにとって異星人でしかないだろう。


「ねぇ日和!凄いよー」


「初対面の人にベタベタ触ったら驚くから」


「!!!!」


日和さんを見て更に兄さんは瞳孔を開かせた。
黒船がやって来た時の日本人もこんな顔をしてたんじゃないだろうか。


「でもカッコい~!誰この人?」


サワサワ、サワサワ、真琴さんの指は止まらない。
兄さんはみるみるうちに真っ赤になって固まった。


「みなみの兄さんなんです」


「えっ!?似てなくない!?」


「・・・昔から言われてました」


「つーかみなみちゃんお久しぶり!まだ付き合ってたんだね、長いね、相変わらず可愛いね」


「あ、ありがとうございます」


「遥斗くんも久しぶりじゃない?」


「はい・・・」


嫌な予感がする・・・
この手の無邪気な女は悪気なくトラブルの種を放り投げるんだ。


・・・なんて思ったのと真琴さんの爆弾は同時だった。

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