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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
それからりんご飴を食べて最後まで花火を見た。


「何か初めてゆっくり花火見たな」


「綺麗だったね」


花火が終わり、人の流れに沿って帰っていると植え込みの影に兄さんを見つけた。


「みなみ、アレ・・・」


兄さんは花壇に座り惚けている。
二人で顔を見合わせ兄さんのところに行って声をかけた。


「お兄さん」


兄さんはビクッとデカい体を震わせて、ゆっくりと俺たちを見る。


「何だ・・・お前らか」


「どうしたの?」


「べ・・・別に・・・」


兄さんの目がみなみの指輪で止まった。


「それは・・・どうした?」


「これ?遥斗に買って貰ったの。・・・ね、」


「昔お兄さんにペンダント買ってもらったって聞いたから」


「覚えていたのか・・・」


兄さんは目尻を下げて笑った。
初めて見る笑顔はどこかみなみに似ていた。


「もしかして飲み過ぎですか?サークルの連中が調子に乗って・・・」


「いや、酒は少し・・・でも平気だ」


フーッと長い息を吐いて兄さんが再び俺たちを見る。


「お前たちは先に帰れ」


「お兄ちゃんは?」


「俺はまだ少し・・・」


何だかおかしい兄さんにまた俺たちは顔を見合わせる。
でも言われるまま二人で帰った。




「あと半年ちょっと・・・」


帰り道でみなみが呟く。


「早く経たないかな・・・そうじゃなきゃまた遥斗が他の人にムラムラしちゃう」


みなみの話はなかなかそこから離れない。
当たり前だけど、大層根に持たれてしまったようだ。


「人を欲求不満みたいに・・・」


「欲求不満じゃないの?」


みなみが悪戯な顔で俺を見た。


「もう彼女と一年もエッチなことしてないのに欲求不満じゃないの?」


「・・・性格悪いな」


楽しそうなみなみにフイッと拗ねる。
するとみなみが寂しげに眉を下げた。


「でもさ、入院してた時はみなみの夢見てたって言ってたけど今回は他の人に反応しちゃったんだよね」


「・・・・・・・・・」


「男の子は・・・しょうがないんでしょ?でも嫌だな」


正直、それはしょうがない。
好きとか嫌いとか関係なしに反応するのは性だから。


でもそれでみなみが傷つくなら「しょうがない」とただ開き直るのも違う気がした。








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