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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
「・・・ホテルで俺は何度も彼女を抱いた。玄関で一回、風呂場で一回、ベッドの上で五回した」


「生々しいですね・・・」


「コンドームがなくなり追加を貰って・・・彼女は“凄い”と喜んでな、でも凄いのは彼女の方だった。俺はあんな腰使いをする女は風俗でしか経験がない」


「・・・・・・・・・」


「彼女は言った、“生で挿れて!”と・・・“今日は安全日なの!だからお願い!!”と言われた。だが俺は断った」


「・・・・・・・・・」


「確実な安全日なんてないんだ、それのリスクを冒してまで彼女は避妊を拒んだ。・・・俺の事が好きなのだろうか」


「いやいやいや!」


それは真琴さんが生粋のビッチなだけで!
多分そんな事言う相手は兄さんだけじゃないと思う。


この人が童貞じゃなかった事や風俗に行ったことがあることに驚きながら、色んな気持ちが吹き出し過ぎてどう処理していいのか分からない。


「多分気にすることないと思います」


「そうか?・・・実はまた会いたいと誘われてるんだ」


真琴さん・・・セフレ認定か!


「・・・会うんですか?」


「会って責任を取る旨を話そうと思う」


「・・・・・・・・・」



相手が真琴さんじゃなかったら男前な話なのに。
そんな事話しても確実に振られるだけだ。
兄さんが不憫に思えてきた。


この人の頭に「セフレ」とか「体だけ」という言葉はないようで・・・
いや、性の捌け口は「風俗」だけなのだろう。
素人は・・・特に「大和撫子」はそんな事しないとでも思ってそうだ。


「・・・話は変わるが山下、お前はみなみとどうしたいと思ってる?」


突然俺に話が振られた。


「前にも話した通り真剣に考えてます」


「それは結婚に結びつくと思っていいのか?」


「はい」


「そうか・・・本当に任してもいいんだな?」


「勿論です」


兄さんは目を閉じた。



「・・・実はな山下、俺は春までに今の会社を辞めようと思う」


「・・・・・・・・・」


「ネットで知り合った友人が四国で花農家をやっていて・・・俺に来ないかと言ってくれた」


「ネット・・・四国・・・」


「友人の知り合いの花屋でバイトもさせてもらえるらしい。色々考えたんだがな・・・思い切って行ってみようと思う」






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