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short story
第15章 ゆらの恋 / yura
先にキスしたのは私だった。
相手にされないと思ったキスは思うより簡単に受け入れられた。


キスで知る初めてのお酒の味と脱力感・・・
こんなキスは初めてだった。
一度だけのつもりでしたキスは幾度となく重ねられ、気付けば貪り合っていた。


キスをしながら気持ちがどんどん膨らんでいく。
身体が熱くてお腹の奥がギュッと疼いて下半身が熱く潤む。


高志の手が身体を這う。
零れる吐息を慌てて隠すと高志は「可愛い」とクスリと笑った。


私には彼女の事なんて頭にもなかったし、それが悪い事だとも全く思ってなかった。
高志がためらうこともなかった。


ベッドに倒されまた舌を絡め合って・・・
私は高志と結ばれた。
一晩かけて愛し合った。


朝、目が覚めると高志の腕の中だった。
裸の高志の腕の中に裸の私。
こんなに心地好く幸せな空間があるなんて・・・
幸せだった。
すごくすごく幸せだった。


―――あれから高志とは「付き合っている」
デートだって頻繁にしてるし私の誕生日は旅行にだって連れて行ってくれた。


でも高志の誕生日には会えなかった。
その理由を高志は私に言わなかった。
私が高志の誕生日をお祝いできたのは誕生日から二日後・・・
高志の部屋で二人きりでお祝いした。
とても楽しかったし幸せだった。




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