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short story
第18章 男の勲章/ haruto
「ただいま帰りました」

その夜、一ノ瀬家に帰るとリビングでみなみとお義母さんの盛り上がる声がした。


「ただいま」


「あ、お帰り遥斗」


リビングに入るとテーブルには沢山のアルバムが積み重ねられている。


「見て!これお父さんとお母さんだって!」


アルバムを覗き込むと、長い髪を片側だけ耳に掛けたえっちゃんと凄い肩パットのむーちゃんが湖を背景に立っている。


「・・・若いですね」


「でしょー?」


「ナントカトーキョー時代のはないんですか?」


「あるわよー」


少しページを戻すとボディコンに身を包むグラマラスなえっちゃんと派手なスーツに着られたむーちゃん。


「何度見てもお父さん似合ってない!」


みなみはゲラゲラ笑っている。
確かにむーちゃんは熟れてない・・・
一張羅感というのか、着慣れないモノ着てきました!感というのか・・・凄い肩パットのどれもがとにかく似合っていなかった。


「私も時代が時代ならこういう服着てたのかな?」


「どうかなー、みなみはこういうタイプじゃないんじゃない?」


「でもお母さんの子だよ?もしかしたらジュリ扇持って踊ってたかも!」


みなみはワクワクしてるけど、みなみがナントカトーキョー・・・
絶対ないだろう。
クラブにも行ったことがないのに時代が遡っただけで夜遊びをするとは到底思えない。
それに百歩譲ってお立ち台に立ったとしても、戦闘能力抜群なオネエサンたちに落とされて終わりそうだ。


「遥斗は絶対行ってたよね」


「俺?俺別にそういうタイプじゃ・・・」


「・・・派手な綺麗な子がいっぱいだもん、行ってたよ」


「・・・・・・・・・」


みなみにボソッと呟かれ何も言えない。


「それにしてもつい最近な気もするけど時代よね~」


「メイクとか髪型とか?」


「そうそう、最近こんな人見ないもんね」


「いや、この時代を引きずってる人居ますよ」


オカマバーに!
トサカ頭のとある人を思い浮かべる。
みなみも誰を指しているのか分かったようで苦笑いしている。


その時、リビングのドアが開いてむーちゃんが帰って来た。




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