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short story
第20章 Summer vacation / daichi
突然のアクシデントを目の前に心臓がドキドキする。
見てはいけないものを見てしまったような罪悪感と、もっと見たい下心で視点が全然定まらない。
その視線のどさくさに紛れて真優を盗み見た。
ブサイクって訳ではない。
割と可愛い・・・方なのかもしれない、もしかしたら。
「何?」
視線に気づいた真優が不審な目で見た。
突然目が合い心臓がバクバクいう。
「えっ、お、お前・・・太っ・・・た・・・?」
咄嗟に誤魔化した言葉は憎まれ口だった。
でもその言葉に真優は過剰なくらい反応した。
「ええっ!やだ、分かる?だって学校お菓子いっぱいあるんだもん」
真優が腹を隠すように自分を抱きしめた。
反れた意識にホッとした。
「食わなきゃいいだろ」
「誰かしらくれるの!」
「何しに学校行ってんだよ。肥に行ってるんか・・・あれか、学校じゃなくて養豚場か」
「酷い!」
真優が怒った。
いつものやり取りに安堵した。
これが俺ららしいというか何というか・・・
これが正常。
普段の自分を取り戻すと、思考を修正すべく自分に言い聞かせていた。
・・・真優は女だけど女じゃない。
女だと思ったのは「性別」が女だってことだけだ。
さっきだって咄嗟過ぎて驚いたから動悸がしただけなんだ。
じゃなければ俺が真優なんかにドキドキするはずはないんだ。
そう何度も言い聞かせた。
どうにか自分を納得させるため必死だった。
―――人を好きになる切っ掛けなんて本当に些細なもので。
あれだけ言い聞かせたにも関わらず、あの日から真優が気になって仕方がなくなった。
会えば意識するし、会わない時には真優のことばかり考えていた。
見てはいけないものを見てしまったような罪悪感と、もっと見たい下心で視点が全然定まらない。
その視線のどさくさに紛れて真優を盗み見た。
ブサイクって訳ではない。
割と可愛い・・・方なのかもしれない、もしかしたら。
「何?」
視線に気づいた真優が不審な目で見た。
突然目が合い心臓がバクバクいう。
「えっ、お、お前・・・太っ・・・た・・・?」
咄嗟に誤魔化した言葉は憎まれ口だった。
でもその言葉に真優は過剰なくらい反応した。
「ええっ!やだ、分かる?だって学校お菓子いっぱいあるんだもん」
真優が腹を隠すように自分を抱きしめた。
反れた意識にホッとした。
「食わなきゃいいだろ」
「誰かしらくれるの!」
「何しに学校行ってんだよ。肥に行ってるんか・・・あれか、学校じゃなくて養豚場か」
「酷い!」
真優が怒った。
いつものやり取りに安堵した。
これが俺ららしいというか何というか・・・
これが正常。
普段の自分を取り戻すと、思考を修正すべく自分に言い聞かせていた。
・・・真優は女だけど女じゃない。
女だと思ったのは「性別」が女だってことだけだ。
さっきだって咄嗟過ぎて驚いたから動悸がしただけなんだ。
じゃなければ俺が真優なんかにドキドキするはずはないんだ。
そう何度も言い聞かせた。
どうにか自分を納得させるため必死だった。
―――人を好きになる切っ掛けなんて本当に些細なもので。
あれだけ言い聞かせたにも関わらず、あの日から真優が気になって仕方がなくなった。
会えば意識するし、会わない時には真優のことばかり考えていた。