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short story
第20章 Summer vacation / daichi
「嘘だよ、泣くわけないじゃん・・・大地の暴言には慣れてます」
涙目で笑う真優に沸々と怒りが沸く。
勘違い・・・コイツを好きだなんて絶対勘違い。
ムスッと黙り込んでシャーペンを走らせていたら真優が俺を伺った。
「今度こそ怒った?」
「別に」
「怒ってる」
「怒ってねーって」
「ごめんね」
「・・・・・・・・・」
真優が謝っても何も言わずただシャーペンを走らせる。
無言の俺にヤバイと思ったのか、真優は窺うように俺を見ていた。
けど、しばらくすると諦めたように自分も問題を解き始める。
シャーペンの音だけ響く静かな時間には真優の気まずさや戸惑いが隠しきれていなかった。
・・・バカめ。
愚か者め。
真優の癖に俺を騙そうなんてのがそもそもの間違いなんだよ。
怒られて悄気げるくらいなら初めから騙そうとするなっつーの!
憎たらしい感情は、時間と怒られた子どもみたいな横顔に緩和されていく。
柔らかそうな頬に手を伸ばし、ムニッと摘み上げると真優が俺を見上げた。
「餅みてーだな」
「いひゃい・・・はなひへよ」
俺の手を引き剥がそうと真優が手を重ねた。
小さい手だった。
そんなに力を入れてるつもりはないのに小さな手は力一杯抵抗しても俺を引き剥がすことさえできない。
力、ねーんだな・・・
よく見れば腕だって筋肉が全然ない。
ただ細くて柔らかそうなだけの腕。
これが男と女の違いなのだろうか・・・
半袖から伸びる腕とその根本にある膨らみを眺め、こんな腕じゃ何もできないんじゃないかと心配になった。
実際何かあっても自分の身すら守れないだろう。
その時湧いた気持ちは庇護欲なんだと思う。
守りたいとかクサすぎて照れるけど・・・
「いつの間にこんなに変わったんだろうな」
「えっ・・・なに?何が?」
「・・・バーカ」
この気持ちの戸惑いを隠すべく、抓る手に力を込めると真優が涙目になっていく。
引っ張った頬の傍の唇に目が行った。
プニッとした質感の唇もとても柔らかそうに見えた。
薄く色づいた唇を見ながら自分にため息が出る。
真優に欲情する日が来るなんて・・・
「真優」
名前を呼んで真優を見つめた。
悔しいけどやっぱコイツ可愛い。
同時に真優を俺のものにしたいとハッキリ思った。
誰にも渡したくないと・・・
涙目で笑う真優に沸々と怒りが沸く。
勘違い・・・コイツを好きだなんて絶対勘違い。
ムスッと黙り込んでシャーペンを走らせていたら真優が俺を伺った。
「今度こそ怒った?」
「別に」
「怒ってる」
「怒ってねーって」
「ごめんね」
「・・・・・・・・・」
真優が謝っても何も言わずただシャーペンを走らせる。
無言の俺にヤバイと思ったのか、真優は窺うように俺を見ていた。
けど、しばらくすると諦めたように自分も問題を解き始める。
シャーペンの音だけ響く静かな時間には真優の気まずさや戸惑いが隠しきれていなかった。
・・・バカめ。
愚か者め。
真優の癖に俺を騙そうなんてのがそもそもの間違いなんだよ。
怒られて悄気げるくらいなら初めから騙そうとするなっつーの!
憎たらしい感情は、時間と怒られた子どもみたいな横顔に緩和されていく。
柔らかそうな頬に手を伸ばし、ムニッと摘み上げると真優が俺を見上げた。
「餅みてーだな」
「いひゃい・・・はなひへよ」
俺の手を引き剥がそうと真優が手を重ねた。
小さい手だった。
そんなに力を入れてるつもりはないのに小さな手は力一杯抵抗しても俺を引き剥がすことさえできない。
力、ねーんだな・・・
よく見れば腕だって筋肉が全然ない。
ただ細くて柔らかそうなだけの腕。
これが男と女の違いなのだろうか・・・
半袖から伸びる腕とその根本にある膨らみを眺め、こんな腕じゃ何もできないんじゃないかと心配になった。
実際何かあっても自分の身すら守れないだろう。
その時湧いた気持ちは庇護欲なんだと思う。
守りたいとかクサすぎて照れるけど・・・
「いつの間にこんなに変わったんだろうな」
「えっ・・・なに?何が?」
「・・・バーカ」
この気持ちの戸惑いを隠すべく、抓る手に力を込めると真優が涙目になっていく。
引っ張った頬の傍の唇に目が行った。
プニッとした質感の唇もとても柔らかそうに見えた。
薄く色づいた唇を見ながら自分にため息が出る。
真優に欲情する日が来るなんて・・・
「真優」
名前を呼んで真優を見つめた。
悔しいけどやっぱコイツ可愛い。
同時に真優を俺のものにしたいとハッキリ思った。
誰にも渡したくないと・・・