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short story
第21章 千の夜と一つの朝 / haruto
腹は決まった。
後はみなみに言うだけだ。


休日、みなみと来た公園のベンチで悶々しているとみなみがハハッと笑った。


「見て、可愛い~」


みなみの指差す方を見るとヨチヨチ歩きの子どもが居た。
子どもは歩くのが楽しいのかあっちへこっちへと忙しい。
小型犬を見つけて犬の側に寄って行くとしゃがんで犬を覗き込む。


犬は尻尾を振りながらワン!と鳴いた。
驚いた子どもの顔がみるみる歪み、泣きながら母親に抱きつく姿がまた微笑ましい。


「フフフ・・・びっくりしちゃったね」


謝る飼い主と笑いながらなだめる母親、子どもは尚泣いているがそれは平和な光景だった。


「みなみは子ども好きなの?」


「うん、ほらもうすぐお兄ちゃんちに子どもが生まれるじゃない?だから楽しみなんだ」


フフッとまたみなみが笑った。


「・・・じゃあみなみも早く子ども欲しいとか思ったり?」


「うーん・・・でも結婚してしばらくは二人で過ごすのもいいよね。・・・遥斗は?」


伺うようにみなみが見上げる。


「俺も・・・そうかな」


「ふーん・・・」


「何か他人事じゃね?」


みなみのほっぺをムニムニ摘むと「止めてよ~」とみなみが軽く叩いた。


「でも結婚したらすぐ子どもつくっちゃうかもな」


「そう・・・なの?」


「うん、みなみと毎晩一緒に居たら俺我慢できないもん」


「こんなとこで・・・バカっ」


真っ赤なみなみが周りを見回してまた俺を叩いた。


「でも早くみなみと暮らしたい」


「!」


「・・・みなみは?」


「み、みなみだって遥斗とずっと一緒に居たいよ・・・でも学生だし・・・」


みなみがギュッとスカートを掴む。


「就職だってまだ決まらないし・・・」



こんな時、俺にもっと甲斐性があれば迷うことなく「結婚しよう!」と言えるのだろうか。
俺もみなみも結婚はやっぱりまだ早い気がした。


お互い少し黙り込んだ後、みなみが思い出したように「そうだ!」と言った。


「来月で一年だよ。覚えてる?」


「うん、早いよな・・・みなみとはもうずっと一緒に居る気がする」


「ね、みなみも。でも一年・・・嬉しいな。遥斗と付き合った時間が長くなってくの嬉しいな」


「・・・うん、俺も」


みなみの可愛いさに俺は何度キュンキュンすればいいのだろう。
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