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short story
第5章 あゆみおねえさんといっしょ/ayumi
「いちかのパパもね、お医者さんなんだよ」


「ええっ!?違うでしょ?」


「ううん、だってこないだ夜起きたらパパがお医者さんの白いお洋服着てたもん」


「・・・・・・」


「“もしもし”付けてママに『悪いとこがないか調べますよ』って・・・」


「わああああ!!!!」


慌てていちかの口を押さえた。
あのバカ何してんのよ!!


「・・・でもそうね、昔ママが高校生になってるの見た事もあったわね」


変態は親になっても変われないのね・・・可哀想に。


それからいちかと一緒に寝た。
いちかは小っちゃくて暖かくて・・・
ベッドから落ないかとか布団はいで風邪ひかないかとか心配で私は寝た気がしなかったけど、久しぶりに誰かと寝たからだろうか・・・気持ち的には満たされた。





翌日は私は仕事でお母さんといちかに見送られ家を出た。
私の店は相変わらず一ノ瀬さんのお店の一角に入っていて・・・



「アユミさん・・・」


去年からまたバイト復帰した一ノ瀬さんが死んじゃいそうな顔で朝から私のところにやって来る。


「あらおはよう一ノ瀬さん」


「今日はいちかを迎えに行きます・・・」


「嫌よー、じいじが帰るまでいちかは家に居るのよ。それにいちかだってまだ帰らないって言ってるし」


「それじゃ私が寂しくて死んじゃいます!」


「大丈夫よ、あなたは遥斗と気兼ねなくお医者さんごっこでもしてればいいのよ」


「!?」


何故知ってるの!?と言わんばかりの一ノ瀬さん。
子どもの話といえど侮れないわね・・・



「・・・夕べ泣きませんでした?」


「全然、いい子だったわよ」


「寝る時とか・・・普段私が居ないと寝れないんですけど」


「全く!私と一緒にグッスリ寝たわよ」


一ノ瀬さんはショックを受けた顔で肩を落とした。


「だから、あなたたちは新婚気分で二人の生活を楽しんで」


ヒラヒラ手を振り一ノ瀬さんを追い返す。


帰ったらいちかが居ると思うとソワソワする。
早くいちかに会いたくて・・・



そしてやっと帰宅するといちかが玄関まで出迎えてくれた。






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