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short story
第5章 あゆみおねえさんといっしょ/ayumi
「お帰りねえね」


「ただいまいっちゃーん!まだ起きてたの?」


もう幸せ。
本当に幸せ。


抱き上げて頬ずりするといちかが父の帰宅を教えてくれた。


「じいじ帰って来たよ」


「そう」


「テレビ見てるよ」


「じいじテレビ大好きだもんね」


家族との話よりテレビや新聞が好きな父。
今も難しい顔でニュースでも見てるんだろう。


「ただいま」


リビングに入ると私の読みは当たっていた。


「お帰りあゆちゃん」


「お父さんお帰り」


「ああ・・・」


父は無口だ。
話す内容と言えば昔から勉強か仕事の事だけだった。


「いちかお父さんが来るから泊まってるの」


「そうか」


「・・・・・・」


会話のキャッチボール続かず。
私は着替えに部屋へ、いちかはお母さんに遅いからと寝かされに連れていかれた。


父はテレビを見て、私も無言で夕飯を食べる。
食べ終わったら食器を洗ってお風呂に入りにリビングを出た。


お風呂から出ると父はリビングに居なくて・・・
昔から父と私たちに会話は殆どない。
話はお母さんが聞いてくれるから別にいいけど、お母さんはよくあんな人と居られると思う。
私がお母さんなら浮気してるんじゃないだろうか・・・


今日はいちかと余り触れ合えなかったことだけを残念に思って、私も部屋に戻った。



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