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short story
第5章 あゆみおねえさんといっしょ/ayumi
つぎの日も仕事でいちかとお母さんに見送られ家を出る。
その日は早上がりになっていた。
だから今日はいちかと遊べる!
その事を楽しみに仕事に励んで家に帰るとリビングからいちかの声が聞こえた。
「いちかね、“い”分かるよ」
お母さんと話してるとばかり思ってドアノブに手を掛けたけど、窓ガラスから見えた姿に手が止まる。
何故ならいちかの話相手はお父さんだったから・・・
お父さんといちかは新聞を覗き込んでいる。
「“い”!これも“い”!」
「ハハハ、すごいないちかは」
珍しく笑うお父さん。
「あっ!サッカーだ!パパもサッカーしてるんだよ」
「パパは学生の頃サッカーが上手かったんだよ」
「いちかもボール蹴れるよ」
「そうか、パパに似たのかな」
お父さんは見た事もないような穏やかな顔でいちかと話していた。
・・・びっくり。
いちかと話すお父さんにもその表情にも。
しかも会話が弾んでるし。
「いちかは大きくなったら何になりたいんだい?」
「いちかはね、プリピュア」
「プリ・・・?」
「ピュアピンクになるの」
「・・・それは何だい?」
「プリピュアは悪者をやっつけるの!」
「そうか・・・大変なお仕事だな。でも大切なお仕事だ」
その返しはないんじゃない?なんて思いながら二人の会話を聞いていた。
すると人影が近づいて、ふと見るとお母さんだった。
お母さんは「静かに」と人差し指を唇にあてる。
「あっ!お医者さんだ!パパもお医者さんなんだよ」
「いちかのパパかい?」
「あのね、夜になるとパパお医者さんになるの。いちかがねんねして起きたらママに“もしもし”でね」
「・・・・・・・・・」
複雑そうなお父さん。
それにしてもこの話、もういちかの持ちネタ?
子どもって無邪気な確信犯だと思う。
遥斗と一ノ瀬さんの焦る顔が浮かぶようだわ・・・
「・・・結構仲良しなのよお父さんといちか」
小声でお母さんが教えてくれた。
「そうなの?」
「帰って来るとああやって私がいないところでね」
「へぇ・・・」
「最近お父さんがよく帰って来るのもいちかに会いたいからだと思う」
その日は早上がりになっていた。
だから今日はいちかと遊べる!
その事を楽しみに仕事に励んで家に帰るとリビングからいちかの声が聞こえた。
「いちかね、“い”分かるよ」
お母さんと話してるとばかり思ってドアノブに手を掛けたけど、窓ガラスから見えた姿に手が止まる。
何故ならいちかの話相手はお父さんだったから・・・
お父さんといちかは新聞を覗き込んでいる。
「“い”!これも“い”!」
「ハハハ、すごいないちかは」
珍しく笑うお父さん。
「あっ!サッカーだ!パパもサッカーしてるんだよ」
「パパは学生の頃サッカーが上手かったんだよ」
「いちかもボール蹴れるよ」
「そうか、パパに似たのかな」
お父さんは見た事もないような穏やかな顔でいちかと話していた。
・・・びっくり。
いちかと話すお父さんにもその表情にも。
しかも会話が弾んでるし。
「いちかは大きくなったら何になりたいんだい?」
「いちかはね、プリピュア」
「プリ・・・?」
「ピュアピンクになるの」
「・・・それは何だい?」
「プリピュアは悪者をやっつけるの!」
「そうか・・・大変なお仕事だな。でも大切なお仕事だ」
その返しはないんじゃない?なんて思いながら二人の会話を聞いていた。
すると人影が近づいて、ふと見るとお母さんだった。
お母さんは「静かに」と人差し指を唇にあてる。
「あっ!お医者さんだ!パパもお医者さんなんだよ」
「いちかのパパかい?」
「あのね、夜になるとパパお医者さんになるの。いちかがねんねして起きたらママに“もしもし”でね」
「・・・・・・・・・」
複雑そうなお父さん。
それにしてもこの話、もういちかの持ちネタ?
子どもって無邪気な確信犯だと思う。
遥斗と一ノ瀬さんの焦る顔が浮かぶようだわ・・・
「・・・結構仲良しなのよお父さんといちか」
小声でお母さんが教えてくれた。
「そうなの?」
「帰って来るとああやって私がいないところでね」
「へぇ・・・」
「最近お父さんがよく帰って来るのもいちかに会いたいからだと思う」