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short story
第6章 ノスタルジックオレンジ/ haruto
寄ってみたはいいけれど何を買っていいのか分からない。
ウロウロ店内をさ迷っていると・・・
「何かお探しですか?」
声を掛けられ振り向くと可愛い子が立っていた。
「母の日のプレゼントを探してるんですけど何を買っていいのか分からなくて・・・」
「優しい息子さんなんですね」
「いや、全然・・・お袋には心配ばっか掛けててプレゼントだってあげたことなくて」
「ふふっ、それじゃあこんなのはどうですか?」
フワリと笑うその子にドキッとした。
その子が案内してくれたのはキッチンコーナー。
「キッチン用品・・・でもなぁ・・・結構こだわりがある人だから」
「んー・・・それならエプロンとか?観葉植物なんかもいいですよね」
「植物・・・」
「可愛いのが色々あるんですよ」
観葉植物のコーナーには可愛らしい鉢に植わった緑が色々並んでいた。
「私がお母さんならこういうの嬉しいかもしれない」
「そうですか?」
・・・何だろう。
他愛ない会話なのに心が和む。
それは今まで感じたことのないものだった。
一緒にいると嬉しくなるというか、疲れが癒えるというのか・・・
この子ともっと話していたいというか。
「このネコの鉢とか可愛くないですか?」
「女の人が好きそうですよね。・・・これにしようかな」
「お母さん喜んでくれるといいですね。私も今年はこれにしようかな」
最後に二人で微笑み合って彼女が商品をレジに持って行く。
もう一人の店員が商品をラッピングしてくれてる間に会計を済ませ、働く彼女を見ていた。
―――可愛い、マジで可愛い・・・
それから俺はマメにその店に通い続け、みなみと付き合うようになり・・・
「遥斗・・・起きた?」
気がつくとみなみの部屋で夕日がオレンジに染めている。
「俺寝てた?」
「うん、疲れてたんだね」
横になる俺をみなみが覗き込む。
夕日のオレンジとこのシチュエーションは懐かしい記憶とリンクした。
記憶は当時の気持ちまで連れてくる。
どうしようもない切なさや俺だけを見て欲しかった気持ち、あの頃の不安が俺を襲う。
ウロウロ店内をさ迷っていると・・・
「何かお探しですか?」
声を掛けられ振り向くと可愛い子が立っていた。
「母の日のプレゼントを探してるんですけど何を買っていいのか分からなくて・・・」
「優しい息子さんなんですね」
「いや、全然・・・お袋には心配ばっか掛けててプレゼントだってあげたことなくて」
「ふふっ、それじゃあこんなのはどうですか?」
フワリと笑うその子にドキッとした。
その子が案内してくれたのはキッチンコーナー。
「キッチン用品・・・でもなぁ・・・結構こだわりがある人だから」
「んー・・・それならエプロンとか?観葉植物なんかもいいですよね」
「植物・・・」
「可愛いのが色々あるんですよ」
観葉植物のコーナーには可愛らしい鉢に植わった緑が色々並んでいた。
「私がお母さんならこういうの嬉しいかもしれない」
「そうですか?」
・・・何だろう。
他愛ない会話なのに心が和む。
それは今まで感じたことのないものだった。
一緒にいると嬉しくなるというか、疲れが癒えるというのか・・・
この子ともっと話していたいというか。
「このネコの鉢とか可愛くないですか?」
「女の人が好きそうですよね。・・・これにしようかな」
「お母さん喜んでくれるといいですね。私も今年はこれにしようかな」
最後に二人で微笑み合って彼女が商品をレジに持って行く。
もう一人の店員が商品をラッピングしてくれてる間に会計を済ませ、働く彼女を見ていた。
―――可愛い、マジで可愛い・・・
それから俺はマメにその店に通い続け、みなみと付き合うようになり・・・
「遥斗・・・起きた?」
気がつくとみなみの部屋で夕日がオレンジに染めている。
「俺寝てた?」
「うん、疲れてたんだね」
横になる俺をみなみが覗き込む。
夕日のオレンジとこのシチュエーションは懐かしい記憶とリンクした。
記憶は当時の気持ちまで連れてくる。
どうしようもない切なさや俺だけを見て欲しかった気持ち、あの頃の不安が俺を襲う。