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short story
第8章 君に恋してる / minami
二人が動きを止めて訊ねた。


「・・・何で急にそんな事思ったの?」


「彼が門限通りに私を帰すんです」


「???」


「本当に好きなら時間なんて関係なくないですか?」


「えっと・・・彼いくつだっけ?」


「23です」


「社会人だよね?」


「はい」


店長と志穂さんは顔を見合わせる。


「惚気かな」


「いや、本人は本気みたいで・・・多分悩みすぎておかしくなってるんでしょうね」


「あのさ、みなみちゃん・・・心配しなくていいと思うよ」


「でも今頃“みなみに会わなくて清々する”とか思われてるかもしれない・・・」


「何故!」


思い込みって恐ろしい。
でも本人にしてみれば怖いくらい本気なのだ。


「ダメなんです、もっと好きになってもらうためには・・・」


「完全にこじらせちゃってますね」


「あの彼氏だろ?門限守ってくれるなんて大事にされてるじゃないか」


「気持ち」なんてものは、目に見えないだけに質が悪くて仕方ない。
いくら周りに見えたって当事者が見失ってしまえば尚更の事・・・






時間になり皆が二次会に向かう中、私は帰ることにした。


「気をつけてね」


「はい、お疲れ様でした」


皆に手を振って駅に向かう。
どんなに駅が近いと言っても夜の街はやっぱり怖い。
夜、余り出歩く方じゃないだけに余計心細かった。


・・・すると誰かが後をついて来ている気配がする。
最初は気のせいかと思った。
でも距離がだんだん近づいて、怖くて足を早めても気配はどんどん大きくなる。


怖い・・・怖い怖い!
私は半泣きで走り出す。
すると後ろの気配も走り出した。


もう完全に勘違いなんかじゃなく追われてる。
助けて・・・遥斗、助けて・・・!


懸命に走っていると突然腕を掴まれた。



「みなみ」


「きゃあああああ!!!!」


それは遥斗だった。
遥斗は私の声にビックリして、私は遥斗と知って腰が抜け、へなへなと座り込む。


「び、ビックリした・・・」


「それは俺」


腕を引っ張って遥斗が立ち上がらせようとするけれど、まだ足に上手く力が入らない。


「そんなになる位怖いなら迎え呼べよ」


「でも・・・わざわざ親呼ぶのも・・・」


「・・・俺呼べばいいだろ」







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