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short story
第8章 君に恋してる / minami
「遥斗・・・好き、大好き」


「俺の方が好き」


二人できつく抱き合って・・・すると遥斗が腕を弛めた。


「・・・時間になるな」


でもこのまま帰りたくなんかない。
離れた遥斗にまた抱きつく。


「帰りたくない・・・」


「だからみなみ・・・」


「今日だけ・・・お願い」


遥斗は困ったように私を包み、何か考えてるようだ。


「俺・・・みなみとの事は真剣に考えてる」


「・・・好きなんだもん」


「みなみ・・・」


それからしばらく、遥斗が一つ大きなため息をついた。


「みなみ・・・家に電話できる?嘘つかせるのは心苦しいけど」





頷いてケータイを取り出した。
ドキドキしながら「今日は帰れない」と飲み会を理由にして嘘をつく。




電話を切って安堵の息をつくと、それを聞いていた遥斗がプッと笑った。



「みなみは嘘つくのが下手だな」


「・・・バレたと思う?」


「俺が親なら・・・」



二人で笑って、手を繋いで向かった先はそういうホテルで。
初めて足を踏み入れた私はキョドキョドしてしまうけど遥斗はこういう所を知ってるように思えた。
少しだけ嫉妬した。


初めて一緒にお風呂に入って二人でベッドに倒れ縺れる。
いつもより余裕のない荒さが嬉しくて、いつもより感じたし積極的に遥斗を愛せたと思う。
私の愛が伝わるようにって・・・そんな風に思ってたら、それ以上に私も愛されてるんだなって遥斗から伝わってどうしようもない気持ちになった。


愛し合って、腕の中でお喋りして、また愛し合って・・・
沢山の愛を遥斗に貰った。
もっともっと遥斗を好きになった。





「遥斗・・・好きだよ」


「それもう何回目?」


遥斗が笑う。


「だって言っても言っても言い足りないんだもん。・・・いっぱい言ってもいいんでしょ?」


そう遥斗に甘えたら遥斗は嬉しそうに見えた。





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