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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第7章 崔家での日々
キョンシルは、眼を閉じているイルチェの顔をしみじみと眺めた。この人が自分の祖父なのだ。もしかしたら、顔を憶えていない父は、この人に似ていたのだろうか。そう思うと、何か心が温かいもので満たされていくような気がした。
「そなたは確か十五になるのだったな」
はい、と、頷くと、続けて問われる。
「父親の記憶はあるのか?」
「いいえ、お父さんが亡くなったのは私が生後六ヶ月のときなので。全く憶えていないのです」