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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第3章 哀しみはある日、突然に
「読んで―ごらん」
 キョンシルはある程度、字の読み書きができる。幼い頃、昔は朝廷の官僚だったという人が近くにいて、近隣の貧しい子どもたちを集めて読み書きを教えていた。そこにしばらく通っていたのだ。
 キョンシルは母の指示どおり、色褪せた紙片を開いた。
 〝崔(チェ)卿実 父崔チソン・母宋(ソン)美瑛の娘であることをここに記す    崔チソン〟
 更に末尾にキョンシルの生年月日が記され、チソンの印が捺されていた。
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