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あなたとの『愛』の続きを
第6章 立ちはだかる障害
…どの人か解らない…
そう思っていたけれど、
エレベーターを降りて…すぐに解った。
扉のすぐ横で、グレーのスーツを着た女性。
目も大きくて、色白で…
栗色の髪の毛を後ろで束ねている。
お互いに目線が絡み合った。
私が彼女の横を通り過ぎた瞬間…
彼女は僅かながら驚いたような顔を見せた。
私は気にもせずにエントランスを抜けた。
そのすぐあとに、もう一つのエレベーターで
蓮が一階へと到着する。
「蓮、時間が遅れてるわ。」
しっかりと聞こえたその声に…
胸が締め付けられた。
『蓮』
確かにそう呼んだ。
私は振り返ることもせず…そのまま一度家へと戻ることにした。