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あなたとの『愛』の続きを
第6章 立ちはだかる障害
……宮田ユリさん…
朝と同じ格好で
横にいる、いつか見たおじいさんに付き添っている。
「あれ、あのおじいさん…」
京香さんも気付いたようだった。
「お願いします。」
宮田さんが受付に保険証をだす。
その保険証には
『竜崎 源』と書いてあった。
…竜崎…
…気付かなかった。
この人…もしかして…
「やぁ。お嬢ちゃん。
今日もお願いしますね」
柔らかな笑顔のおじいさんは…
蓮と血が繋がっているようには見えなかった。
おじいさんの診察が終わる頃には
患者の数も増え、会計の時は舞が担当していた。
横目で宮田さんを盗み見る。
…本当に美人…
その言葉が彼女には一番、相応しい。
「じゃぁな、お嬢ちゃん。」
そう、おじいさんが
私へと話しかけた時だった。
「あなた、お名前は?」
宮田さんの女性らしい声。
…何から何まで完璧だ。
「…ぇ、あ…結城です。」
「そう…行きましょうか。」
「結城さん、また来週に会おう」
おじいさんが手を振り、私も小さく振り返した。
宮田さんの視線がとても怖かったけれど…