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あなたとの『愛』の続きを
第6章 立ちはだかる障害
「鳴ってるよ…葵。」
そう携帯を指差し、舞が言う。
ディスプレイには『蓮』と出ている。
「蓮さんじゃない?出たら?」
「うん…」
『蓮は忙しいの。
…もうかけてこないでくださらない?』
宮田さんの声が何度も、何度も渦巻いた。
コールが止み、不在着信のみ残される。
「…葵ちゃん?」
「大丈夫です…京香さん。」
そう笑うけれど、京香さんは心配そうな顔で
覗き込んでくる。
「…あの人の邪魔にはなりたくないんです。」
そう言うと、私は半分ほど食べた弁当箱を閉じ
1人、席を立った。
まだ休憩時間がわずかに残っている。
私は、少し外の空気を吸う為に外へと出た。
もうすぐ初夏を迎える外の空気は
もう、蒸し暑ささへ感じるようになっていた。
短く息を吐くと、私は中へと戻った。