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あなたとの『愛』の続きを
第7章 無言の挑戦状
目の前に座るこの女性は
もう暑い6月にも関わらず…
黒のジャケットに赤のタイトスカートを履いている。
…普通に黒のフレアスカートの私とは
月とスッポンの様だ。
目の前に置かれたアイスコーヒーの氷が
カランッと音を立てる。
「…あの、話って…」
宮田さんは何も言わず、
大きな封筒を静かし差し出した。
「…見てもらえる?」
その中身を見ると…胸の中心が痛いほど騒めいた。
「……これっ…」
「悪いとは思ったけれど、あなたの事を
調べさせてもらったわ。
…驚いた。
孤児院で育ったんですってね。」
彼女の口の端が嫌らしく上がる。
私は膝の上で拳を力一杯握った。
「…蓮が選ぶくらいだから、どこのお嬢様かと
思ったけれど…違ったのね。」
「……蓮さんは…知っているんですか…」
「いえ。まだ、知らないわ。
…これが社長や会長にバレれば、蓮はどうなるかしらね?」
宮田さんはテーブルに肘をつき、
身を乗り出した。
「…どうしたら…いいんですか…」
「そんなの一つよ。
別れなさい。」
彼女の顔からは笑みが消えた。