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あなたとの『愛』の続きを
第7章 無言の挑戦状
どんなに重く憂鬱な夜だって、
必ず朝は来る。
気怠い体を起こし、
身支度を整え…思うように動かない足に
低いヒールのパンプスを履かせる。
溜息…さえ出ないような状況。
玄関のドアを開け、鍵を閉め…
振り向いたその先。
見たことある黒い車。
足が勝手に動き出す…
さっきまで、何十キロの重りがついているのではないかと思う程重かった足が…
信じられないほど軽い。
車の横に立つと、運転席の窓が静かに開いた。
「…携帯の電源を切るとは…いい度胸だ。」
その目はきっと怒りとは違う。
…きっと彼は全てを知っている…
堪らず目線を外した私に…蓮は小さく
「乗れ」と告げた。
「…蓮さん…あの…」
「宮田に何を言われた。」
「……何も」
咄嗟に着いた嘘は…
つくにはとても苦しかった。