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あなたとの『愛』の続きを
第3章 あなたがヒーロー?
彼はその手を動かす事なく…
私からも視線をそらすことなく…
「名前は…何と言う?」
そう低く呟く。
「あ…あおい…」
やっと絞り出した声に彼は
フッと口角をあげた。
「そうか…」
「あなたは?」
そう聞いたけれど…彼は
「いつか…知る事になる。」
そう言って窓に置いた手を退けた。
奥に去って行く彼の後ろ姿を
窓越しに見つめた。
私も体を翻し、部屋へと向き直す。
…まだこんな部屋にいることが信じられない。
私は…今夜…帰れるのだろうか?
そんな不安を抱え、そっと彼に近づいた。
彼はソファーに足を組んで座り
私の姿を見ると、何も言わず隣の席を叩いた。
『座れ』と言うことなのだろう…
必要以上の言葉が彼にはない。
横に座っても…何も会話は出てこなかった。