この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あなたとの『愛』の続きを
第3章 あなたがヒーロー?
「葵。」
初めて、彼に名前を呼ばれた。
その低い声が胸に響いて、涙で濡れる顔を
彼に向けた。
彼が親指でそっとその涙を拭う。
…不思議と怖くはなかった。
「お前、まさか経験ないのか…?」
その質問に顔が熱くなるほど
恥ずかしさを覚えた。
また下を俯くと、ゆっくりと頷いた。
「そうか…」
そう声が聞こえ…彼の腕が私の背中に回る。
ゆっくりと引き寄せられると、
私は彼の胸に埋まるように抱きしめられた。
彼の心臓の音が響く。
「怖かっただろう…?」
「えっ…?」
「あの時、アイツに襲われて
怖かっただろう?」
…怖かったってもんじゃない…
けれど…
「大丈夫です。あなたが助けてくれたから…」
そう言うと彼の腕の力が少し強まった。