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あなたとの『愛』の続きを
第3章 あなたがヒーロー?
彼は手を退けると
ソファーから立ち上がり部屋から出て行った。
誰もいなくなった部屋で
私は胸元を握りしめた。
…何これ…苦しい…
まだドクドクと脈を弱めない自分の体。
酸素不足なのか何度も深く息を吸う。
学生の頃も…恋はした。
どれもこれも…片想いだったし
告白もされたけれど…
そんな事に興味はなくて
自分の環境や生い立ちが…邪魔をして
積極的になれなかったのもある。
人と接する方法が…解らなかった。
今までとは違う、何か。
この痛い程の胸の鼓動…
触れられた場所が熱を帯びている。
「はぁ…何なの…」
頭を抱え項垂れると
座っているソファーが揺れた。
彼が戻ってきて、また隣に腰を下ろした様だ。
…顔が見れない。
あの灰色の澄んだ瞳をみる勇気がなかった。