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あなたとの『愛』の続きを
第3章 あなたがヒーロー?
「…着替えろよ。」
彼が中へと戻ってきて、私に声をかける。
彼はクローゼットへと近付くと
身支度を始める。
シャツを着て、ズボンを履き…
また腕時計をはめる。
ネクタイを締めた後、腕時計と同じ場所に置いた携帯電話を手に取った。
何件か…着信があったのだろう
彼が何度か舌打ちをしていた。
そして、電話を耳と肩の間に挟み
シャツのボタンを締めながら、また部屋を出て行った。
その間に私も着替え終わり
そっと、寝室から彼の様子を伺う。
彼はテラス窓の前に立ってまだ話をしていた。
眉間に皺を作り…気難しい顔をする。
その後ろをそっと通り…洗面所へと向かった。
顔を洗い…簡単な化粧を行う。
…我ながら初めて会う人にスッピンを晒したな…
と自分を褒めてあげたかった。
下は移した目線を上へ上げると…
鏡には電話していた時と同じような…
眉間に皺を寄せた彼が腕組みをしてこちらを向いている姿が映っている。
「ーーーーっ!!」
「…………真剣だな。」
彼は鼻で笑い、姿を消した。
ワナワナと手が震える。
恥ずかしいでは言い表せない気持ちだった…。