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あなたとの『愛』の続きを
第4章 名前のないヒーロー。
受付の中へと入りパソコンを立ち上げる。
すでに…開くのを待っている人達もいる。
「はぁ…週明けは患者が多くて大変。」
京香さんが肩をコキッと鳴らす。
忙しい時間が…始まった。
「坂本さん、こちらが処方箋ですね。
今日は1100円になります。」
「お大事に…」
「結城さん、コレ予約確認しててもらえる?」
「わかりました。」
考える隙を与えてくれないほどの忙しさだった。
今日も…午前の診療が過ぎても患者は絶えず…
結局は13時を回った。
「はぁ〜つかれた。ランチ行く?」
京香さんさんたちが私たちへ視線を送る。
「はい。」
2人で返事を返すと、京香さんが笑った。
午後の診療は14時から。
ゆっくりとは休憩できそうにない。
「ねぇ、葵。」
近くのパスタ屋でランチを食べる。
クルクルとフォークをパスタに絡ませている舞が
深刻な顔で尋ねてきた。
「…優太郎君とは…連絡とってないよね?」
その言葉に胸の奥がチクリと痛み出す。
「とってないよ…どうして…?」
「葵が心配なのよ。私、真司くんと
連絡取ってるんだけど…
優太郎君、お酒飲むと人が変わるらしいよ。」
その言葉に京香さんが割って入る。
「大丈夫よ。舞ちゃん。
ちゃんと私も気にかけとくから。」
…実際…あれから彼からの連絡はなかった。
特に気にもせずこのまま、終わるのだろうと思っていた。
優太郎君とも…あの彼とも…。