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あなたとの『愛』の続きを
第4章 名前のないヒーロー。
「葵ちゃん!会いたかったんだ。」
優太郎君はもうすでにお酒が入っているのか
ケラケラと笑っている。
この中で一番真面目そうな彼。
あの、変貌ぶりはどこから…来るのだろうか。
私は優太郎君と奈央君の間に座された。
「…大丈夫?」
奈央君は気にしてくれているのか
私に耳打ちをする。
小さく頷くと、少し笑った。
…生きた心地がしない。
男性2人がこんなに近くにいるのに…
胸は踊らない。
…あの彼のように。
その時だった。
むわっと私の横からタバコの煙が舞った。
「っー。ゲホッ…」
私がむせると、奈央君が
「あっ…ごめん…」
と少しタバコを私から遠ざけた。
それでも…彼はタバコをまたふかす。
…何でこんな時…彼を思い出すんだろう。
『タバコの煙は…平気か?』
見た目は怖いあの人。
けれど…全てが優しかった。
「ごめん…私ちょっと外の空気…吸ってくる。」
そう言うと…私は1人店の外に出た。