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あなたとの『愛』の続きを
第4章 名前のないヒーロー。
ー単純ー。
そう言われても仕方ない。
だって、経験も免疫もないのだから。
優太郎君はその後…
私を違うお店へと連れて行ってくれた。
暗い雰囲気のオシャレなBARだった。
この前のイメージとは違って…
よく笑うしよく喋る。
笑うと目が細まって可愛い。
乱暴な言葉も使わない…
…舞の言っていたことは嘘なんじゃないかと錯覚してしまいそうなほど…
「俺たちね、営業なんだけど…
会社の副社長が凄く無愛想でさ…」
会社の愚痴などを並べ、他愛もない話で笑った。
「あっ。ここもね、副社長に教えてもらったんだ。
怖いんだけど…部下思いの良い副社長だよ。」
「社長にはならないの?」
「親父さんが社長だからね、難しいんじゃないかな。」
そんな話を永遠としていた。
テーブルに置かれた手は優太郎君の手から
覆われて、ずっと握られている。
「葵ちゃん…俺の家…来ない?」
「……えっ…」
まっすぐな彼の目…
きっと…聞こえない警鐘があるならば
今…物凄い勢いで鳴っているのだろう。