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あなたとの『愛』の続きを
第4章 名前のないヒーロー。
「ねぇ…葵ちゃん…」
優太郎君が持っていたコーヒーカップをテーブルへと置く。
その手のを見つめ…
ふと近づく何かに気付き…顔を上げた。
ドサッと肩を強く押され…
ソファーに押し倒された。
…あっ。私…
ここでやっと気が付いた。
ー愚かだったーと。
そして…やっぱり、浮かぶ…
同じ体勢で組み引かれたあの夜。
灰色の瞳が私の脳裏に浮かぶ。
…た、…助けて…
彼の顔が近付き咄嗟に顔を背けた。
「何で…避けるの?ねぇ、葵ちゃん。」
耳元で呟く…彼よりも少し高い柔らかい声。
体がビクッと反応した。
『女は聴覚で興奮を覚える。』
『俺の声に欲情する女になればいいと思わねぇか?』
耳に残るは…彼の低い声。
「やめて…やめてっ!!」
私は優太郎君を勢いよく突き飛ばし
ソファーから、立ち上がった。
すぐに腕を掴まれ、またカーペットの床へと倒された。