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あなたとの『愛』の続きを
第4章 名前のないヒーロー。
カサッ…
ポケットの中で何かに触れた。
…レシートでも入れてたっけ?
そう思って取り出すと…
そこには電話番号が書かれた紙。
名前もなく…ただ数字が並んでいる。
…誰の…?
番号を聞いた覚えは全くない。
このコートは昨日と…今日しか着ていない。
ふと思い出した…彼の顔。
…まさかね…
どこかでそのまさかを期待していたのかもしれない。
私はその番号を打ち込むと…
電話をかけた。
呼び出し音が響く…
何故だかとても緊張していた。
けれど…何度コール音が響いても
電話の向こうの相手は出てはくれなかった。
…何、期待してんのよ…
携帯電話をコートのポケットにしまうと
私は暗い夜道を歩き出した。