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あなたとの『愛』の続きを
第4章 名前のないヒーロー。
「竜…」
それが本名なのか…偽名なのか
私には到底解らなかったけれど
彼の電話番号に『竜』と登録をした。
その番号を呼び出し
ディスプレイをそっと指でなぞる。
…こんな気持ちは…初めてだった。
どうしようもなく…また彼に会いたかった。
「…はぁ。」
「何?溜息…。優太郎君と何かあった?」
次の日のランチタイム。
京香さんは持参した弁当を頬張っている。
「いえ…そこは…いいです。」
「そこは…?えっ!?何?何!?」
興味津々に私の顔を覗き込む京香さん。
「…実はですね…気になる人がいて…」
恥ずかしそうに答える私に
京香さんも舞も驚いている。
「葵が…恋?何年ぶりよ〜?」
茶化してはいるが舞は喜んでいる。
「誰なの?」
「…解りません。」
「はっ?」
そこで二人とも動きを止めた。
当たり前の反応だと言える。
恋をした相手が誰なのか解らない。
そんな馬鹿な話はあまりない。