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あなたとの『愛』の続きを
第5章 ヒーローの正体
「さっき…葵ちゃんは副社長を竜さんと
呼ばれていました。
竜崎副社長、それは苗字では…?」
「竜崎…?」
「お前に、バラされるとは思っていなかったよ。新井。」
彼はカウンターにカードを出し
支払いを済ませてしまった。
「葵。話がある。来てくれるか?」
その真剣な眼差しに私はただ俯いた。
帰り際、優太郎君と奈央君に頭を下げると
二人はどこか申し訳なさそうに手を振り返した。
外に停めてあった車に乗り込んだ。
しかし、竜さんは一向にエンジンをかけようとはしない。
「竜…」
「蓮だ。」
私の声を遮り彼は言う。
「えっ?」
「竜崎 蓮。
俺の名前だ。
別に…隠していたわけじゃない。
すまなかった。」
「蓮さん…」
「蓮で構わない。」
そう言うとやっとエンジンをかけ走り出した。
車内は話さことなど思いつかなくてとても、静かだった。