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第5章 ヒーローの正体

着いた先は…

高層マンション。



何も言わない彼について行くと
彼はオートロックを解除し、エントランスへと入る。


「蓮さん…ここは…」

「俺の家だ。」


エレベーターの上のボタンを押すと
彼は顔を上げ、エレベーターが進んでいるであろう階の
点灯しているランプを見つめていた。


それが1を指すと、静かにエレベーターの扉が開いた。


「嫌か？」

「えっ…？」


開いたままの扉の前で、私は彼を見た。


「初めてのデート…だろう？
それが、男の部屋では嫌なものじゃないのか？」

「…あっ…大丈夫…」


そう言うと閉まりかけた扉に手をかけ
蓮は優しく微笑んだ。


「乗れ。」


そう言われエレベーターへと乗り込んだ。

階が上がっていくが、エレベーターが止まる気配はない。


やっと止まったのは20階だった。