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あなたとの『愛』の続きを
第6章 立ちはだかる障害
時計は22時を指す。
「そろそろ帰ろうか。」
真司くんの声で、お開きになった。
「なら、俺が葵ちゃんを送ってくよ。」
「いいよ!1人で…」
「いや、何かあったら俺たちのクビが飛ぶ。」
そう笑いながら、彼は私の隣へと並んだ。
「ねぇ、葵ちゃん。ついて来て欲しいところがあるんだけど…時間ある?」
「ん?別にいいよ?どこ?」
「内緒。来て」
私の手を掴み少しだけ歩くペースを上げる。
しばらく歩くと…そこは
蓮がいるであろう竜崎グループの本社だ。
「ここ…」
「まだ残業していると思う。
俺となら入れる。行く?」
「えっ…でも」
「…会いたいんだろ。不安で仕方ないって書いてあるくせに」
奈央君は私のおでこにデコピンをくらわせ
歯を見せて笑った。
裏口へと周り会員証を警備員に見せると
奈央君は中へと入った。
警備員が私の方を見たが…
何も言われなかった。
「ねぇ…何で私入れたの?」
「ここ、一緒に入るときは1人が見せればいいんだ。
セキュリティゆるいだろ?」
「まぁ、裏切るよう社員は置かないって信頼かな。」
「そうなの…」
「監視カメラあるしね。
部外者なのはわかるよ。
副社長が全員覚えてるから。」
「全員…!?」
「そう。あの人、本当抜け目ないんだ。」
エレベーターが静かに上へと上がっていく。
階が上がるにつれ私の心臓も拍動を上げていく。