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あなたとの『愛』の続きを
第6章 立ちはだかる障害
…静かな車内。
小さなボリュームで洋楽が流れている。
「仲が良いんだな。」
隣から聞こえた小さな声。
「えっ?」
「新井とお前。」
「そういう訳じゃ…」
「前にあった時は、菊池の方が
お前に惚れているように思えたが…勘違いのようだ。」
私にはその言葉の意味があまり理解出来なかった。
それからはまた、蓮は話さなくなり
静かな空間へと戻ってしまった。
マンションに着くと
彼はすぐにネクタイを外し、スーツを脱ぐ。
「風呂に入る。…葵はどうする?」
「蓮さんの後でいいよ…」
そう言うと何も言わず浴室の方へと消えた。
静かな部屋で一人ソファーに座る。
机の上に乱雑に投げられた車の鍵と携帯電話。
遠くの方からシャワーの音が響いていた。
すると…
携帯電話が鳴り出した。
バイブと共に机の上を小刻みに動いている。
明るく照らさせたディスプレイには
『宮田ユリ』と出ていた。
しばらく鳴った携帯電話は
また静けさを取り戻した。