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万華鏡
第2章 視姦

『桐谷 蒼斗 (きりや あおと)』
貸し出しカードに書かれた先輩の名前。
綺麗に整っていて‥。
少し右上がりで几帳面な文字。
カードに書かれたその名前を声に出してそっと呟く。
ーー 蒼斗先輩。
名前を知って。
私の中の先輩はー‥。
憧れの『先輩』から、『蒼斗先輩』へ変化した。
ほんの少しだけ近づいた気がするその距離。
******
先輩は夏目漱石が好きらしい。
特に‥『こころ』を何回も借りて読んでいる。
貸し出しカードに何度も書かれている蒼斗先輩の名前は、5回も繰り返し記入されていた。
この本の何が、先輩のこころを惹き付けるの?
私もこの本が読みたい‥。
本を手に取り、カウンターに歩いていた。
貸し出しカードに書かれた先輩の名前。
綺麗に整っていて‥。
少し右上がりで几帳面な文字。
カードに書かれたその名前を声に出してそっと呟く。
ーー 蒼斗先輩。
名前を知って。
私の中の先輩はー‥。
憧れの『先輩』から、『蒼斗先輩』へ変化した。
ほんの少しだけ近づいた気がするその距離。
******
先輩は夏目漱石が好きらしい。
特に‥『こころ』を何回も借りて読んでいる。
貸し出しカードに何度も書かれている蒼斗先輩の名前は、5回も繰り返し記入されていた。
この本の何が、先輩のこころを惹き付けるの?
私もこの本が読みたい‥。
本を手に取り、カウンターに歩いていた。

