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万華鏡
第2章 視姦
訳の解らない焦燥感に踊らされる。
自分が何を求めているのか解らない。
でも胸が苦しくてたまらない。



先輩のことを毎日、そっと見続け観察する日々が続いた。
我ながらストーカー行為な気がするけれど、視ることは止められなかった。

まるで”ここが私の定位置“といわんばかりの自然さで。
先輩が意識して右の後ろを振り返らなければ目に入らないその位置で私は本を読む振りをしてひたすらに先輩を見続けた。




――――そして




知らずしらずのうちに、私の指先は先輩の肌に触れるように、そっと。優しく‥。
先輩が借りた本の背表紙をなぞる。
ザラザラしたした不快感も全て受け入れありのままに。



まるで蒼斗先輩のその滑らかな頬を愛撫するようにーー。



そして、本を開き先輩が読んだであろうその文章を私も味わう様に読み耽る日々が続いた。



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