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万華鏡
第2章 視姦
先輩に実際会ってしまったら、きっと、あの時間が現実に変わってしまう。



それが少しだけ怖くて。

でも、返却期限を一週間も過ぎてしまった私の下には、図書委員からの督促状が届いていた。



私のこころの中を映す様に、外は雨が降っている。
みぞれ混じりの雨が冷たく私のこころを凍らせて何も感じなくなればいいのに。



仕方なく返却期限が過ぎたその重い本を持ち、放課後図書室へ行った。
こころが鉛の様に重く感じられ、みぞれ混じりの雨は何も効果が無いことを知る。



あいからず私の中の壊れたビデオは先輩のあの姿をエンドレスで再生し続けていて。
その度に秘口から蜜がトロトロと溢れでてしまう。



そんなことを考えながら図書室に入ったのが運が悪かったのだろう。
私は、出会頭に先輩と衝突してしまった。




落として床に散らばった本を、先輩は丁寧に慈しむ様に拾い集めた。



「すみませんっ」



一緒に拾い始めた私の手と蒼斗先輩の長い指が重なる。



思わずその手を引っ込めた。


先輩の指はその視線と同じでヒンヤリしていたけれど‥。その手の動きは優しくて。



「漱石‥好きなの?」


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