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万華鏡
第2章 視姦
窓から見えるソコは初夏に向かう今、薄紅色の可憐なはなみずきの花が盛りを迎えていた。


校舎の作りのせいで体面している側の校舎の様子が見える。

廊下は少なく、教室から教室へ移動するのが最短な変わった作りの校舎。

隣の教室に行くにも一度一階に降りて、違う階段を登らなければ成らなくて迷路見たいだ。



はなみずきの先‥二階の窓際に蒼斗先輩の姿が見えて、



「あっ先輩だー‥」




先輩の後ろには髪の長い女生徒の姿が見えた。



ザワザワザワ‥



心がざわめく。私は先輩から目が離せない。
その先には図書室がある。あと30分で図書室は閉まる時間になってしまう。




ーーもしかして。




私の足は知らずしらずに図書室へ向かう。




ーーあのひとと、これから。




見たい。
先輩のあの冷たい視線に絡めとられたい。




そんな衝動が押さえられない私はーーー‥。



誰もいない図書室は静まり返り、日々の喧騒が嘘のようだ。
足音を殺して。奥へ奥へと進む。


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