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ピンクの扉
第17章 第三部 序章
「背広は?背広は大丈夫なの?」
PTA会長の問いかけに
木下校長はジャケットを脱いで
コーヒーがかかっていないか確かめました。
「背広は大丈夫ですが…
ほれ、カッターシャツが…」
そう言って私に白いワイシャツに
茶色いシミが付いている部分を見せつけました。
私は申し訳なくて
「ごめんなさい」と頭を下げるばかりでした。
「シャツも脱ぎなさいな。洗ってあげるわ」
会長はテキパキと校長に指示を出します。
「そう?悪いねえ」
悪いねと言いながら、
洗ってもらうのが当然のように
校長はどんどんと脱いでいきます。
私は校長先生の下着姿など見てはいけないと
視線を外しましたが
PTA会長さんったらテキパキと指示して
頼りがいのある姉さん女房のようです。
(もちろん、年齢的には
校長先生の方がはるかに年上なんですけど)
それにお二人のざっくばらんの態度から
もしかしたらこのお二人は
肉体関係があるのかしらなんて思ってしまいました。
「桃子さん!なにをボーッとしてるの!
校長先生は下着までコーヒーがかかってしまったのよ!
やけどしてたらどうすんの
早くタオルを濡らして持ってきて冷やしてあげないと!」
PTA会長さんの叱責に、
私は我に帰って慌ててタオルを水で濡らしてきました。