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英里を調教
第15章 エクストラ・ストーリー1 英里の初めてのアルバイト
「ね、簡単でしょ」
「バーコードをピってして、受け取った金額入れて、お会計」
「そうそう。それだけ。お店の中とか倉庫の整理とかは別のバイトが後で来るから。
 英里はこれだけやってくれればいいよ」
「うん、わかった。何とかなりそう」
「後は緊張しないことね」

 笑って言う由美子。
 さすがに長年の友達、と英里は素直に降参した。

「バレてた?」
「うん。英里は可愛いんだから、ニコニコしていらっしゃいませ~って言ってれば大丈夫よ」
「もう…簡単に言うなぁ」
「あはは」

 由美子は時間ギリギリまで英里の横で仕事を教えてくれ、そろそろ行くね、とウキウキした足取りでお店を出て行った。
 入れ替わりに早速一人目のお客さん。
 大人の男の人。すぐに目的のものを見つけ、手にとってレジへ。
 どうやら買うものがはじめから決まっていたらしい。

 ちょっと、商品選ぶの早いよ。まだ心の準備が出来てないよ~。

 初の一人接客に緊張する英里。

「…いらっしゃいませ。」

 ええっと。バーコードをピっと。
 ガラスのキャンドルグラス。中に火をつけたキャンドルを入れると、模様が浮かび上がる、このお店のこだわり商品の一つ。
 
 いきなり割れ物、と戸惑う英里は、バーコードを読み取るのに少し手間取ってしまったが、男性がポケットから財布を取り出すまでに何とか読み取ることが出来た。

「七百八十円です」

 千円札を受け取って、レジに「1」「0」、そこで思い出して次は「00」を打ち込み「会計」
 二百二十円のお釣りを渡して、無事に終了。

 はじめての接客を無事こなせてホっと息をつくと、橘店長が褒めてくれた。
 どうやら見守っていてくれたらしい。
 ちょっとだけ、制服の、暖かい季節用の薄いブラウスから透けて見える、英里の黄色い下着をチラっと見ては、目を逸らし、また覗き見る。
 はじめての接客に夢中な英里は、そんな視線には気付かず、ただ胸を撫で下ろしていた。
 ふう、と息をつき、程よい大きさの胸が上下するのを、橘は書類に目を通すふりで、しっかりと見ていた。
 ブラウスのボタンとボタンの間、深呼吸した際に出来た小さな隙間から、黄色いブラジャーが少しだけ見えた。
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